参考図の出図

 

営業から参考図として図面の出図を求められることが多々あった。目的を確認すると、顧客が検討するためと言うだけで、それ以上のことはわからない。要求してきた営業自身もそれ以上知らないようだった。

 

出図することは、簡単にできる。しかし、その目的や使われ方を知らずに、むやみやたらに出してしまうことは、技術情報の流出にほかならない。

現在は、メーカーのサイトからCADデータもダウンロードできる。しかし、そのデータには社外秘となるような部分は端折られているか、ダウンロードそのものが出来なくされている。

紙の図面であっても、CADデータであっても同様である。独自技術やノウハウは社外秘なのである。自社のそれについては認識が甘くなりがち、そんなものが該当するとは思っていない、ということがよくある。

 

たかが参考図や参考データといっても、図面やデータに変わりなく、そこには社外秘に該当する独自技術やノウハウが入っている可能性がある。

図面の出図やデータの開示には、個人判断でなく、文書化された社内規定、基準とその手続きまで決めた文書管理規定が必要である。

リスキリングに対する経営者の考えと対応

 

リスキリングは、OJTでは得られないものを学ぶことが出来る。

OJTは、社内の熟練者から仕事を通じて、その仕事に即使える知識やノウハウ、もっと簡潔に言えば仕事そのものを学び身に付けることができる。

それに対しリスキリングは、社内にない知識、OJTでは得られないものを学ぶことが出来る。OJTは仕事に直結してすぐに役立つが、社内にないものは得ることが出来ない。リスキリングは、すぐには使えないかもしれないが、これまで社内になかったものを得ることが出来る。これは将来への投資でもある。

 

リスキリングについて、これまで様々な経営者(主に中小企業だが)に考えを聞いてきた。その結果をまとめると、大きく次の4つに分けられる。

①     反対

②     やや消極的

③     やや積極的

④     積極的

 

考えと対応を見ていくと、

一番ネガティブな「①反対」においては、OJTで十分、今の事業に関係ない、そんなことをして社員が転職でもしてしまったら困る、というものが多い。実際、話をしていると「それが今やっている事業に何の役に立つのか?」といった今しか見ていない近視眼的な意見もしばしば見受けられる。

次に「②やや消極的」では、特に必要と思っていないが、業務に影響しなければ社員が自分から学ぶのを止めはしない。ただし協力もしない、というのが多い。

「③やや積極的」は、必要性は認めるが会社として何かを提供することはしない。ただし、便宜を図ったりして協力はする。

「④積極的」は、必要性を大いに認め、社員に奨励し、外部講習の受講費の負担をしたり、場合によっては外部から講師を招いて社内で研修を行ったりする。

 

どれがベストな選択であろうか。

「①反対」は論外であろう。将来に向けた会社の発展も、社員の能力向上も期待できない。

対局の「④積極的」がベストな解ではないかと思う。会社の発展性も社員の能力向上も期待でき、そこには「Win Win」の関係を構築できる。社員も会社が自分の成長を手伝ってくけるとなれば、会社に対するロイヤリティが高まり、転職されてしまうリスクも減らせられるのではないだろうか。

森永卓郎氏、カッコよかった!

 

森永卓郎氏が死去した。彼の書いた本は何冊か読んでいる。上から目線でなく、庶民側に立った内容で、好感がもてる著作だ。

講演も聞いたことがある。その時、たまたまトイレで出くわしたが、正直なところ、同年代の私が見ても冴えないオヤジであった。それが、台上に上がると話がうまく、途端にカッコよく見えた。

 

しかし、本当にカッコいいと思ったのは、今回の件である。一時は余命宣告されながらも、自分の癌を告げ、やせ細りながらも平然とテレビに出演していた。その間、新たに本まで出筆している。そして、死亡する前日まで、ラジオに出演した。

 

言い方を変えれば、死ぬまで働いたのかもしれないが、それは多くの人にとっての労働、生活費を稼ぐため嫌々働くのとは違っていたと思う。でなければ、死ぬ前の日まで働かない。働くのではなく、自分の言いたいこと、したいことであったのだと思う。

 

何か、人生の理想的な死に方を見せられたような気がする。今死ぬわけではないが、見習ってみたい。ただ、最後まで続けるのが、何なのかはわからないが。

技術の流出 = 財産の減少

 

技術・ノウハウの流出について考えてみたい。

 

自社の持つ独自技術やノウハウの外部への流出は、後になって気づくことが多い。どこの企業であっても、その後対処をし、流出を防ごうとする。

 

しかし、形のある物品と違って、知的財産である技術やノウハウは、取り返すことができない。

データや図面であれば、流出した時の元データや図面を取り戻しても(インターネットであれば消去しても)、コピーされた可能性は高いし、それを見た人の頭の中に入ってしまっている。それは、流出媒体が何であっても同様だ。

サンプル品 (試作品) の流出てあれば、そのサンプル品を回収できても、現物検証されてしまっている可能性がある。検証記録も取られているだろうし、それに関係した人達の頭の中に記憶されている。

 

知的財産は、企業にとってかけがえのない財産なのだが、一度流出してしまうと財産ではなくなってしまう。つまり財産の減少、損失となる。同じものを知り戻すことはできない。苦労して築いてきた知的財産が、消滅してしまうことになり、それを競合を含む他社に無償で使用されてしまうことになる。

 

流出してから対策ではなく、流出させない対策が必要になる。流出してからでは遅いのだ。

生成AIと偽論文

 

生成AIで「フェイク論文」が作られ、研究者の名前が無断で使用されるという事件が発生している。専門家によれば、生成AIは特定の人物の特徴を取り込んだ文章を作れるとのこと。

 

フェイク、偽物、贋作と呼び名は色々あるが、これまでも長く作られてきた。美術工芸品、サイン(署名)、宝飾品等に多い。そして、その判定をする鑑定士という職業もあり、鑑定結果を示した鑑定書も作られてきた。

そして、ほとんどの場合、これらにはハードとしての現物が存在する、または確実なオリジナルがある。フェイクは、全くオリジナルと同様のものにはならないということを前提に、作風鑑定、筆跡判定、物質測定、同位体年代測定などで判定されてきた。

 

「フェイク論文」の場合、オリジナルを無断で使われた著作権侵害というより、文書の偽造と考えた方が良いのかもしれない。さらにAIが進化すれば、その人の文章の書き方(特徴)から判断するのは不可能になっていくだろう。

 

昨今、SNSによる偽ニュースとそれによるデマ、フェイクサイト(偽サイト)、フェイク画像、知的所有権侵害などの問題が多く発生している。

これらは、AIの進化によってますます巧妙になっていくことが予想される。

 

AIは非常に便利なツールであり、私もよく使用する。いつの時代においても、新しい技術が出てくると、それを悪用することも横行する。

AIそのものに罪はないが、それを使う人の理性、モラルが重要になってくる。

 

技術の善悪は、それを使う人のモラルに依存する。

72の法則と物価

 

一括投資した場合に、複利効果でお金が2倍になるまでの年数が簡単にわかる法則に「72の法則」がある。

  72 ÷ 金利(%) = 2倍になる年数

の式から求めることが出来る。

例えば、1%運用であれば、72÷1=72年、

2%運用であれば、72÷2=36年

3%運用であれば、72÷3=24年

4%運用であれば、72÷4=18年 、と計算できる。

 

逆に考えれば、指定した年数で2倍になるまでの金利も計算できる。つまり、次の式になる。

  72 ÷ 2倍になる年数 = 金利(%)

 

物価が高騰している昨今であるが、G7各国の物価上昇の推移は、次のグラフのようになっている。 (引用:日本生命"社会人のための経済学コラム")


1987年を起点として2022年までの消費者物価の推移を表したものだが、物価が2倍になるまでの年数を見てみると、イタリアが約20年、アメリカとイギリスが約25年、カナダが約33年、ドイツとフランスが約35年かかっている。

これを計算すると、イタリア     :72÷20=3.6%

         アメリカとイギリス:72÷25≒2.9%

         カナダ      :72÷33≒2.2%

         ドイツとフランス :72÷35≒2.1%

となり、年平均2%以上の物価上昇を続けた結果、物価も2~2.5倍になっている。

これに対し、日本は1987年から2022年の35年間で、約2割の上昇にとどまっている。

 

これを是正する方向と円安が合わさって、物価の急騰につながっているようだ。そうであれば、物価の上昇はまだまだ継続すると思う。

初詣 & 走り初め

 

明けましておめでとうございます。

 

1月1日朝、毎年恒例の“初詣&走り初め”に行ってきた。

1月1日は、朝食前に金刀比羅宮(通称:こんぴらさん)鳥羽分社へ、走り初めを兼ねて初詣をしている。

こんぴらさん鳥羽分社は、香川県の金刀比羅宮の分社で、全国にある6つの分社のひとつである。標高163mの樋の山の頂上にあり、我が家からは片道2.6km、往復5km強だ。

 

昨年末にハムストリングの肉離れをした後ほとんど走っていないので、今年はゆっくり走った。

昨年の御札を収め、賽銭を入れて参拝、そして再び走って帰宅した。

 

良い年になってほしいと願いつつ。


<こんぴらさん 鳥羽分社>                     <樋の山の山頂からの眺め>

 

最新の投稿記事

設計の終了しないエンジニア、ブログ記事の定期掲載終了

  製品が出来上がるには、企画、検討、設計、部材調達、製造の順が基本になる。量産品であっても、オーダー品であっても、大筋は変わらない。出荷日が設定されれば、途中からはそれに合わせて、後ろから予定(工程)を組むことになる。 どこかの工程が狂うと後の工程にしわ寄せがいく 。   ...