技術・ノウハウの流出について考えてみたい。
自社の持つ独自技術やノウハウの外部への流出は、後になって気づくことが多い。どこの企業であっても、その後対処をし、流出を防ごうとする。
しかし、形のある物品と違って、知的財産である技術やノウハウは、取り返すことができない。
データや図面であれば、流出した時の元データや図面を取り戻しても(インターネットであれば消去しても)、コピーされた可能性は高いし、それを見た人の頭の中に入ってしまっている。それは、流出媒体が何であっても同様だ。
サンプル品 (試作品) の流出てあれば、そのサンプル品を回収できても、現物検証されてしまっている可能性がある。検証記録も取られているだろうし、それに関係した人達の頭の中に記憶されている。
知的財産は、企業にとってかけがえのない財産なのだが、一度流出してしまうと財産ではなくなってしまう。つまり財産の減少、損失となる。同じものを知り戻すことはできない。苦労して築いてきた知的財産が、消滅してしまうことになり、それを競合を含む他社に無償で使用されてしまうことになる。
流出してから対策ではなく、流出させない対策が必要になる。流出してからでは遅いのだ。