参考図の出図

 

営業から参考図として図面の出図を求められることが多々あった。目的を確認すると、顧客が検討するためと言うだけで、それ以上のことはわからない。要求してきた営業自身もそれ以上知らないようだった。

 

出図することは、簡単にできる。しかし、その目的や使われ方を知らずに、むやみやたらに出してしまうことは、技術情報の流出にほかならない。

現在は、メーカーのサイトからCADデータもダウンロードできる。しかし、そのデータには社外秘となるような部分は端折られているか、ダウンロードそのものが出来なくされている

紙の図面であっても、CADデータであっても同様である。独自技術やノウハウは社外秘なのである。自社のそれについては認識が甘くなりがち、そんなものが該当するとは思っていない、ということがよくある。

 

たかが参考図や参考データといっても、図面やデータに変わりなく、そこには社外秘に該当する独自技術やノウハウが入っている可能性がある。

図面の出図やデータの開示には、個人判断でなく、文書化された社内規定、基準とその手続きまで決めた文書管理規定が必要である。

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