森永卓郎氏が死去した。彼の書いた本は何冊か読んでいる。上から目線でなく、庶民側に立った内容で、好感がもてる著作だ。
講演も聞いたことがある。その時、たまたまトイレで出くわしたが、正直なところ、同年代の私が見ても冴えないオヤジであった。それが、台上に上がると話がうまく、途端にカッコよく見えた。
しかし、本当にカッコいいと思ったのは、今回の件である。一時は余命宣告されながらも、自分の癌を告げ、やせ細りながらも平然とテレビに出演していた。その間、新たに本まで出筆している。そして、死亡する前日まで、ラジオに出演した。
言い方を変えれば、死ぬまで働いたのかもしれないが、それは多くの人にとっての労働、生活費を稼ぐため嫌々働くのとは違っていたと思う。でなければ、死ぬ前の日まで働かない。働くのではなく、自分の言いたいこと、したいことであったのだと思う。
何か、人生の理想的な死に方を見せられたような気がする。今死ぬわけではないが、見習ってみたい。ただ、最後まで続けるのが、何なのかはわからないが。