会社は人が集まって仕事をする組織である。組織にはそれぞれ組織固有のルールがあり、仕事はそれに従って行われる。
出張するには「出張申請書」が、物品を購入するには「購入依頼書」が、作業には「作業指示書」が、といった具合で、その多くは書類が必要となる。何をするのに、どのような書類が必要か、その書式は、といったことは会社により異なる。提出方法も、紙の書類が必要なのか、メールを使うのか、口頭でよいのか、等々各社それぞれである。
新しい設計を要請する、図面の出図を依頼する、といったことであれば、要請書や依頼書が必要になり、会議や打合せ、設計検証を行えば、その記録が必要となる。ISOを取得しておれば記録は必須である。
ところが困ったことに、これらのルールを無視し、全く覚えようとしない人がいる。電話一本で、自分の選んだ担当者に直接依頼する。記録も何もない。
その人は、入社したての新人ではない。何年も、中には数十年勤務し続けている人であったりする。中途採用で入社した人にもその傾向が出やすい。これらの人は、仕事ができないのではなく、むしろその逆で成果を挙げていることが多い。
電話で依頼を受けた側は困ってしまう。
なぜそうなってしまうだろう。
実は、私もその傾向があった。私の経験から推測すると、自分の専門以外のことに手を付けるのが煩わしいのである。たまにしか発生しない仕事の細かいルールを覚えるのは面倒くさい。今にして思えば、誰かがしりぬぐいをしてくれたから、うまく回っていたのだが。
結局のところ。ルールを無視して仕事を進める人がいると、誰かにシワ寄せがいく。シワ寄せをもらった側はけっして良い気分ではない。こういったことが続くと、感情的な面が加わり、仕事が円滑に回らなくなっていく。本来ならカバーし合う些細なミスも、カバーしてもらえなくなる。
社内ルールは、面倒でも、煩わしくても、仕事を円滑に進めるため覚えなくてはならない。
