TV番組WSSで、日本が「技術で勝って、ビジネスで負ける」という問題を取り上げていた。
その例として、IDECの押しボタンスイッチの問題をとり上げていた。同社の押しボタンスイッチはφ25mmの穴に取り付けるのを標準としていたが、国際標準ではφ22mmとφ30mmが採用されてしまい、それまで高かったシェアを大きく落としてしまったとのこと。世界標準を決める話も知らなかったとのことであった。
過去にも、携帯電話のiモードが当時世界最先端であったにもかかわらず、世界標準にしなかったためガラパゴス化して消滅し、現在のスマホに置き換わっている。
三菱のスペースジェット(旧MRJ)も国内規格で開発を進めていった結果、アメリカの安全規格をとれずに挫折している。
モノとしてその性能や信頼性は高く、決して悪いモノではなかったと思う。
問題は、独占ではなく仲間をつくらないと国際標準にならないということだ。この辺の話になると、単に技術の問題ではなく、経営判断や政治的な駆け引きも必要になってくる。それを怠ってきたため、「ビジネスで負ける」という現象を引き起こしてきたと思う。
世界でシェアを取りたければ、独占ではなく仲間を増やし、そのうえで駆け引きも必要であろう。
国内だけであれば国内の業界標準で事足りるが、世界を相手にしたければ、国際標準が必要だ。