CADが使えることと設計ができることは別

 

設計はCADを使って行うのが普通になっている。設計業務には、CADの使用がほぼ必須である。

 

では、CADさえ使えれば、設計はできるのであろうか?

世の多くの人が、「CADが使える = 設計ができる」と思っている。CADを習得すれば設計者になれると思っている。

CADは道具である。魔法のツールではない。CADができる前は、ドラフターを、その前はT型定規や3角定規を使っていた。3角定規は小学生でも使える。となれば、設計は小学生に任せればよくなる。

 

CADには、図面作成だけでなく、設計検証、シミュレーション、解析、CAD-CAMとしての連動など多くの機能がある。しかし、あくまで道具だ。考える(アイデア、発想)のは人間である。

良い設計ができるか否かは、設計者の経験も含めた能力に依存するもので、道具(CAD)はそれを支援するだけである。

 

結論は、「CADが使えるだけでは、設計はできない」である。良い設計者になるには、工学を学習し、実務経験を積むことが必須、そして本人の才能である。

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