所属していた開発部門に、新しい上司が来た時の話である。
彼はいろいろなことに手を付けだした。我々が気づいていなかった問題、やり方が変更され、それまで”なあなあ”で行われていたことがルール化された。試作や検証に使う部品等の購入に関する手続きも一本化され、簡潔になった。
多くの変革が行われ、良い方向に進んだ。
しかし、妙なことを言い出した。「開発技術と品管は仲が悪いものだ」と。
それまで、品管とは仲良くやっていた。けっして”なあなあ”な馴れ合いではなく、良い意味でお互いに協力し合っていた。しかし、新しく来た上司の彼には理解ができなかったようだ。新しいものを考えるのに、品管が要求する枠組みは、旧態なものジャマだと考えていたようだ。彼の以前に所属していた組織では仲が悪かったらしい。
開発部門と品管がギクシャクしだしたが、何のメリットもない。お互いの協力がなくなって、業務の進展が遅くなっただけであった。
ある時、新製品に技術的トラブルが発生し、品管の協力を得てなんとか解決したことがあった。それ以来、彼は「開発技術と品管は仲が悪いものだ」などとは言わなくなり、逆に仲良くしようとしだした。
変革は重要だか、すべてを否定するのではなく、良い習慣は残していかなくてはいけない。