新聞に、すし職人か海外で争奪戦になっているとの記事があった。
日本にいた時と比べ、年収が3倍になった話も掲載されていた。ただハードルも高く、寡黙にすしを握るだけでなく接客センスも必要とされるようだ。
新聞によれば、海外に流出する日本人人材には2つの潮流があるとのこと。1つは、高いスキルを持った人材で、日本にいた時の数倍の収入を得るパターン。2つ目は、最近のワーキングホリデーに代表されるような出稼ぎのパターンである。
この流れが続くと、国内には外国語が苦手でスキルに乏しい人材ばかりが残るリスクがあり得る、とのことだ。
スキルを持った人材は、新聞に掲載されていたすし職人のような専門性の高い技能者、技術者、研究者などが含まれる。
技術者の流出は、ある面で技術・ノウハウの海外流出ではあるのだが、だからと言って全て否定することはできない。個人には職業選択の自由があり、日本は開かれた国である。今は、鎖国をしていた江戸時代ではないのだ。
では、どうすれば。 流出を上回る流入があれば、良いのではないか。貿易と一緒である。輸入を上回る輸出があれば、貿易は黒字になる。
海外に人材が流出する以上に、スキルの高い人材が海外から流入すれば良いのではないか。人材の黒字だ。
そのためには、日本が人材を呼び込めるように魅力的になる必要がある。世界水準の給与は当然として、企業であれば競争力とイノベーション、研究機関であればその環境も重要であろう。
人材流出をリスクとして恐れるより、人材の獲得で人材流入を積極的に推進するべきだと思う。