作家の保阪正康氏が「戦争に関して総括が行われていない」という話をしていた。
「戦争反対」とは言っても、「なぜ戦争をしたのか」という総括がされていない。感情論だけで、教訓を得られていないというのだ。
物事の総括をしないというのは、日本の特質なのだろうか。イラク戦争に加担したことにおいても、その理由とされた大量破壊兵器は存在しなかったにも関わらず、反省もされず責任も問われていない。
ではこれが、技術の世界ではどうなのだろうか。
何か新しいモノを開発したり、新しい方式を試行した場合、その結果について正しく総括されているだろうか。うまくいったこと、うまくいかずに変更を加えたこと、それでもだめで諦めたこと、これらを評価・反省し、都合の悪いことも全て正確に記録しておく必要がある。
やりっぱなしで終わったり、失敗を隠して記録したりしていては、ノウハウが蓄積されない。失敗を記録しなければ、次にまた同じ失敗を繰り返す可能性がある。失敗に学ぶのが教訓なのだ。「失敗は成功の基」なのだ。
何か新しい試みをしたら、それが失敗であっても、成功した場合も美談だけでなく試行錯誤も含めて総括し、正確に記録しておくことが重要である。