試験データの流用

 

自動車メーカーによる型式指定の不正申請が相次いで発覚している。一言でいえば、正規の手順に乗っ取らない数値データを申請用の試験結果として提出したということだ。

複数の企業が行っていたということは、一社だけの問題ではなく業界としての問題が潜んでいると考えるべきであろう。

 

では、自動車業界だけの問題だろうか。

法律違反になったわけではないが、私にもデータの流用をした経験がある。ただ。これは他に考え付く方法がなかった。カスタム設計の一品物のデータを納品後に提出要求を受けた。事前にそんなデータ提出の要望はなく、法律的にもそんな規定はないものであった。

それは無理と返答したのだが、何とか形だけでも整えてほしいと言われ、先方の了解を得て、類似品のデータを提出したことがあった。

 

通常。少量製作のカスタム品は、法律的な規制がなければ、発注側からの依頼がない限り、特別な試験は行わない。社内ルールに乗っ取った試験を行ってOKとする。され以外の試験や検査が必要であれば、事前に伝えられていなければならない。時間も費用も余分にかかる。試験内容によっては、試験装置を手配したり、外部に委託したりする必要が生じる。

つまり、要求がないのにこれらをすると、納期に間に合わず、コストが膨れ上がるという問題が発生するのだ。

 

法律的な問題はなく先方の了承を得て行ったこととはいえ、何となく釈然としない気分だったのを覚えている。

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