「良いモノを作る、出来る限り良いモノを、良いモノであれば買ってもらえる(売れる)。」
ずっと言われ続けてきたことだ。「良いモノを作る、出来る限り良いモノを作る」は道義的には正しい。しかし、「良いモノであれば買ってもらえる」かどうかは別だ。その良さに値する対価で買ってもらえるかは別の話になる。
発注を受けて、設計・製造し納品した時、「ここまですばらしいモノを作ってもらえるとは」と感謝されることもある。しかし、支払になると、当初予定していた予算内での支払しかしてもらえない。要求されたスペック以上の部分については、支払はされない。
言い換えれば、要求を超えるスペックのモノを作ったのは、受注製造した会社の勝手であり、それに対しての支払いはしない、ということだ。ビジネスの論理からすれば、真っ当な話である。
といって、元の要求内容にスペックダウンをすることは受け入れてもらえない。
結局、「いやいや、気に入っていただければそれで結構です。赤字にならなければいいですから。」とかなんとか言って、利益のほとんど出ない製品を生産し納品し続けることになる。
良いモノを作ることは大事だが、それによる価格アップの承諾を得ずにオーバースペックのモノを作ってしまうのは避けなければならない。感謝はされても、支払はされない。