心の中にある過去の幻想

 「日本は、解雇されにくく、貧富の差も少ない」というのは過去の話で、既に崩れつつある。という話は何年も言われ続けてきているが、それでも心の中ではそう思っていない、認めたくないという人が多いのではないだろうか。

 

2019年発表のOECD雇用保護指標によれば、

解雇されにくい国のトップ3は、

  1位:チェコ、2位:イスラエル、3位:ポルトガル

解雇されやすい国のトップ3は、

  1位:アメリカ、2位:スイス、3位:カナダ

となっている。

日本は、記載されている37ヶ国中、

  解雇されにくい順で25番目、

解雇されやすい順は13番目であった。

どちらかというと、日本は解雇されやすい国だと評価されている

 

では、貧富の差についてはどうだろうか。

OECDによる主要国貧困率ランキングによれば、

貧困率の高いトップ3は、

  1位:南アフリカ、2位:ブラジル、3位:コスタリカ

貧困率の低いトップ3は、

  1位:アイスランド、2位:チェコ、3位:フィンランド

となっている。

日本は、記載されている43ヶ国中、

  貧困率の高い順で12番目であった。

ここで言っている貧困率とは相対的貧困率、簡単に言えば貧富の差を表すもので、絶対的貧困率(例えば1日1ドル以下で生活する人の割合)ではない。

 

こう見てくると、「日本品質」「技術大国」といった言葉もいつか幻想に変わってしまうのではないだろうか。いや既に幻想で、気付いていない、あるいは心の中で認めたくないだけなのかも知れない。

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