本当に自分の好きなことを仕事にしている人は少ないと思う。プロスポーツの選手には該当する人が多いのかもしれないが、一般の人の大半は、何らかの妥協をしてその仕事をしていると思う。
そういう意味で、好きなことを仕事にしている、あるいは仕事が好きという人は幸福だと思う。しかし、仕事が好きということ、趣味が仕事あるいは仕事が趣味というのは同じではない。大きく異なる。
設計においても、設計という仕事が好きな人と、設計を趣味でやる人は同じではない。出来上がった設計も異なる。
製品を設計するにおいては、使用目的や使い勝手を最終ユーザの立場に立って考え、さらにコストも考慮しなければならない。
設計を仕事としてする人は、当然これらを第一に考える。
しかし、趣味として設計をする人の場合、設計をする本人のやりたいことが最優先となり、ユーザの使い勝手やコストは後回しにされてしまう。
設計を仕事としてとらえれば、その先にあるのは顧客(ユーザ)であり、利益を生むためのコストである。これが趣味になると、本人の満足が最優先となる。どちらが製品として価値があるかは考えるまでもない。
これが、「趣味で設計はできない」の理由である。