初回取引は、ご祝儀価格とご祝儀品質

 製作を依頼する外注を決める際、確認事項は沢山あるが、最も重要なのが品質と価格である。製造現場の状況や設備、管理体制などは、訪問して監査を行うが、品質と価格を確認するには、サンプルを製作してもらい、その見積を見て判断することが多い。

サンプル品の出来が良く、見積価格も他社より安ければ、他に問題がない限り外注先に加えることになる。

問題は、その後に発生してくることがある。

サンプル品の出来も良く、初回納入品が品質・価格とも問題なく納入されてくる。順調で問題ないと思い、安心感もただよい出す。

しかし、時期が経つと、その外注からの製作品の品質が落ちはじめ、不適合となるものが発生し出し、その率が高くなってくる。梱包なども雑になってくる。クレームをつけ、対策と改善の要求を繰り返すことになる。

次に、別のものの製作を依頼すると、初回の見積価格水準に比べかなり高くなっている。

つまり、初回取引は、ご祝儀価格ご祝儀品質だったのだ。注文を取るために、こういうことを行う外注先が しばしば見受けられる。

逆の立場であったが、以前勤めていた会社で、営業が試験結果の中からチャンピオンデータを持ち出し、それをサンプルとして客に提出して受注したことがあった。チャンピオンデータの再現は難しく、後で困ったことがあった。これも、注文を取りたいがために行われたことだった。

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