リチウムイオンバッテリーについて(その2)

 

リチウムイオン電池の注意事項には、熱と衝撃がある。熱については、724日の記事で掲載したので、今回は衝撃について取り上げることにする。

 

リチウムイオン電池は外部からの衝撃が加わると内部に傷が付くことで内部ショートが生じ、発煙や発火につながる

 

この外部からの衝撃に対する問題を理解すれば、地面に落としたり、無理な力を加えたりしてはいけないことは、容易に理解でき想定されるだろう。

 

そこで、もう一つ考えておかなければいけないのが、廃棄である。つまり、リチウムイオン電池を搭載した電気製品を捨てる場合についてだ。

安易に一般ゴミとして廃棄してしまうと、それが火災の原因となりうる。燃えないゴミとして廃棄しても同様である。

まず、ゴミ収集車は投入されたゴミを内部で圧縮して積み込まれる。この圧縮によってリチウムイオン電池が傷つき内部ショートを発生させ発火する。

運よくゴミ収集車で発火しなかったとしても、運ばれたゴミ処理場で発火する。ゴミ処理場で火災が発生すれば、復旧するまで収集したゴミの処理ができなくなるし、処理場の復旧には多額の費用が必要になる。(十数億円かかったという例もあるようだ)そして、その費用は税金で賄われるということは、納税者である我々が負担することになる。

ゴミ処理場では、作業員の方が手作業で確認・分別をしていることもあるようだが、それには限界がある。それを行うことで、人も時間も余分に必要になる。そしてそれはコスト増となる。それに何より、収集したゴミを手作業で分別する身にもなって見てみもらいたいと思う。ゴミは決してきれいなものではない、不衛生な作業だということだ。

 

リチウムイオン電池を搭載した製品を捨てるには、

1.販売店やメーカーに回収してもらう 

2.自治体のルールに従って捨てる

のどちらかが一般的である。

 

では、どのような製品にリチウムイオン電池が使われているだろうか。例を挙げれば、

  ・パソコン、スマホ、モバイルバッテリー

  ・デジカメ

  ・電気シェーバー

  ・ハンディファン

  等がある。充電ができる製品が該当すると思えば間違いないだろう。

信用度

 

昔、ある人からこんな話を聞いたことがある。

お金を借りる(ローンを組む)場合、開業医の歯医者さんより、そこに勤務している事務員の方が信用度が高い

 

どういうことかというと、開業医である歯医者さんは個人事業主で、月々の収入は一定ではない(=不安定)。それに対し、そこに勤務している事務員は給与所得者であるため、月々の収入は一定額で安定しているからだというのだ。

何かおかしい。確かに毎月の収入を見れば、額の大小を無視すれば勤務している事務員の方が安定している。しかし、その給与を支払っている開業医が経営難に陥れば、そこに勤務している事務員はもろにその影響を受ける。雇用主が廃業すれば、被雇用者は失業するのだ。

もっとも、この話は極端な例としての話で、現実ではもっと審査が入るのでこの通りにはならないと思うが。

 

一般社会にも、これによく似た傾向がある。

個人で事業をしている人、特に開業したばかりの個人事業主と聞くと、経済的に大丈夫なのだろうか、続けられるのだろうか、不安視する人が多々いる。それは、理解できる。

しかし、そこに雇われて働くとなると、誰もそんな目では見ない。安定した職業に就いたと見る。

これも、妙なことだと思う。

チャンピオンデータ

 

通信機器のサービスエンジニアをしていた時のことだ。

新規の顧客が、その性能に満足してくれない。機器の設置時にも問題なく、運用後の保守点検でも問題は見つかっていなかったのだが、なぜか不満のようだ。

 

確認すると、機器の導入に際して、営業から提示されたデータサンプルと実際との差が大きく、そのサンプルデータの内容が一度も再現できていないとのことだった。

顧客に頼みそのデータを見せてもらった。たしかに素晴らしい記録だった。データを持ち帰って社内で確認をしたところ、製品の試験で記録をとった内のチャンピオンデータであったことが判明した。

 

チャンピオンデータは、全ての環境が最良で、測定を繰り返すうちに発生したほぼ再現困難な最高記録のデータだ。実際の運用で再現されることはないといってよい。

 

担当した営業は、受注したい一心でチャンピオンデータを顧客に提出したのであろう。

本来これは、社外秘に該当するデータ、顧客にみせてもらっては困るものだ。どのようにしてその営業がデータを入手したのかは不明だが、あってはならないことであった。

 

試験的に何度も繰り返し測定したデータであったとしても、その取り扱いには要注意である。特に、社外への持ち出しについては十分な注意と管理が必要だ。

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