中国のBYDが、「スーパーeプラットフォーム」という新技術で、BEV(電気自動車)が5分の充電で最大400km走行が可能になると発表した。
BEVの課題として、充電スタンド等のインフラはもとより、車自体の問題として充電時間と走行距離が言われてきた。
バッテリー容量が小さいと満充電に要する時間は短くなるが、走行可能な距離が短くなる。逆に容量を増やせば走行可能距離は伸びるが、満充電に要する時間が増える。
一般的には、満充電には8~12時間かかると言われており。1晩充電する必要がある。日本国内では、街中の急速充電器の利用可能最大時間は30分と定められている。
BYDが発表した「スーパーeプラットフォーム」はこれらの問題を解決するものであるが、フラッシュ充電と呼ばれる超高速充電システムであるということで、別の問題がないかという疑問がある。
リチウムイオンバッテリーに急速充電を繰り返すと、バッテリーの寿命が短くなる。
その1つの原因がバッテリーの熱劣化である。超高速充電ではバッテリー内部で発熱が生じる。高温下での使用が続くと電極材料の劣化や電解液の分解が進むため、寿命が短くなる。
2つ目は、電極のストレスと副反応だ。急速充電時にはリチウムイオンが急速に移動し、電極に負荷がかかる。そのため、リチウムの不均一な析出が発生しやすく、内部短絡や容量低下につながる。
3つ目は、充放電サイクル劣化である。リチウムイオンバッテリーは充放電の回数で劣化するが、これが早まる。
これらにどのように対処しているのか、詳細が不明なので何とも言えない。素晴らしい技術であるが、不安もある。もっとも、イノベーションとはこういうもの、一度に全てがパーフェクトにはならない。トライ&エラーを繰り返すことで進歩する。