製造現場はアトラクションではない

 

以下(「」部分)プレジデントオンラインからの抜粋。

「仕事をしている作業者たちは社長が来たからといって持ち場を離れたり、挨拶したりはしません。社長が「おはよう」といっても、こくんとうなずくくらいです。それに対して、社長も怒ることはありません。仕事優先だからです。社長や幹部にいいところを見せようとは思っていません。これは見学者に対しても同じです。」

これは、トヨタの工場に関する記事であった。

 

以前私が勤務していた会社では、これと逆のことがあった。

営業が顧客を連れて工場見学に来た時のことである。見学者に挨拶をしてほしいという事前要求が営業から出ていた。製造側としては、通路で合えばきちんと挨拶(「おはようございます」等)、作業中に目が合えば会釈をして対応した。

ところが、後になってその営業からクレームが来た。挨拶の仕方が悪い。作業中であっても、作業を中断して大きな声で挨拶しろ、というのだ。

 

想像して見ていただきたい。見学者が近寄ってくるたびに、作業を中断して立ち上がって挨拶をする・・・実におかしな光景だ。逆にこれでは見学者も不審に思ってしまう。本当に作業に集中しているのだろうかと。

 

製造現場はアトラクションではない。正確に効率よく製造するために集中して作業をしている場所だ。求められるのは、製品の品質であって見学者への愛想ではない。製造要員は接待係ではない。良い製品を提供するのが仕事である。優先順位を取り違えてはいけない。

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