マイナンバーカードと利便性

 

122日より、新たな健康保険証(保険証)が発行されなくなり、マイナンバーカード(マイナカード)へと移行していくことになった。マイナカードを保険証として使用できることは既に始まっているが、その使用率は低く約15%とのことだ。

 

なぜ使用率が低いのだろうか。国は便利になるとPRしまくっている。では、利用者の側から見て、便利になるのだろうか、利便性が高まるのだろうか。この視点から見ると、ほとんどメリットを見いだせない。むしろ、紛失したらどうするのか、という不安の声が多く聞かれる。

 

利便性が支持され利用されるかは、利用者の視点から見るべきであって、制度の運用者から見たものではない。

保険証の代わりにマイナカードを持って医療機関に行く、持っていくものが代わるだけで何も便利になったわけではない。薬の飲み合わせのチェックができるといっても、既にお薬手帳というものが使われ普及している。

逆に、持ち歩くことによる紛失やICカードの破損、読み取りトラブル等の不安が払拭されない。ごくまれであっても、当人(病人)にとっては重大な問題になる。(誰だって病気で病院に行った時、受付トラブルになんか遭遇したくない)

 

これは、一般の製造物にも言えることだ。製造者や運用者が良かれと思って製品を改良しても、それを利用するユーザーにとって利便性が向上するものでなければ受け入れられることはない。製造者や運用者にメリットがあっても、ユーザーにメリットが感じられなければ、その利用が広がることはない

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